「よい仕事」とは、誰も見ていないときにキチンとやることである。
～ ヘンリー・フォード
私の好きな言葉の1つです。仕事で大切にしていることは個々あると思いますが、私は
- チームで行う場合は次に携わる人のことを考えて準備もしておく
- その仕事自体に、自分の興味ポイントを見つける
- （製作であれば）その商品を受け取る人の笑顔や期待を常に考えよう
という3つを、基本的に持っています。急にこんな話をしたのは、最近勤務している中で気がついたことを綴っておきたいと思ったからです。
今のパートは大手開店寿司チェーン店のキッチンスタッフとして在籍中。
キッチン側には、私のように握りや軍艦・デザートなどを作るスタッフと、具材を切る切り付け担当スタッフ、揚げ物や茶碗蒸しを担当するホットと呼ばれる内容で構成されています。
今朝、初めてそのホットの準備時間をすることになったのですが・・・ふと、最近朝のメンバーとしてよく見かけていたホットスタッフの男の子を見かけないことに気がつきました。なんとなく聞けなかったのですが、辞めちゃったのかなと感じたのです。
その子は、ややコミュ障な雰囲気のあるコでした。
挨拶をしても話しかけても「え・・聞いてるかな」と思ってしまう感じだったのですが、慣れてくると合図で返してくれるようにもなってきていたのです。
数ヶ月、その子を含めたスタッフを見ていると（なんとなく上から目線💦）、もちろん「なんだかな〜」というところもありますが、みんなどこかしら愛すべき点が見えてきました。
その子は黙々と仕事をしていたのですが、巻き物の仕上げで使う天かすをわざわざ細かく砕いてくれていたり、ラーメンや味噌汁などをお願いすると、忙しい時間帯は多めに作ってくれていたのを見ていました。天かすは、他の子が用意すると粗くて巻物の仕上げに使ってもなんだかうまくまとえなかったり、スープ系もすぐなくなってしまうので手間が増えてしまうのです。
どれくらいの方がこの子の「ひと手間」に気がついていたのかは知りません。でも、誰かしらに評価されることもないのに何食わぬ顔で毎回それをやってくれていた子が、私には頼もしかった。
その気遣いが上手くわかりやすい子もいて、それはそれでありがたいしみんなが感謝しているのですが、「ひと手間」を惜しまなかったその子を私は評価したい・・・♡
これこそまさに、冒頭で挙げた
”「よい仕事」とは、誰も見ていないときにキチンとやることである ”
そのまんまではないでしょうか。
以前の仕事では、よく企画や商品開発に携わっていたのですが、その際に大切なポイントだと思っていることがありました。それは「これなら私が贈りたくなるか、友人に薦められるか」という目線。
これは、その当時の業界に入り、ギフトなどを企画していく当初の頃から大切にしていたこと。商品を作る際、慣れてくると、とかく違う方向に目がいきがちです。
もちろん利益やコスパも大切ですが、それだけでないストーリーをもって作り上げたいと考えていました。
贈り物というのは、贈る側もいただく側も笑顔になれるものであり、本来なれ合いで贈るものではありません。” ものづくり ” とは、その ” もの ” をそれだけの目線でのみ見てしまうと関わる人間も商品も成長はしません。（ 当時いた業界は米穀業でしたが ）「お米」を「お米（単なる商品）」としか見てないうちは、その「お米」は「お米」でしかないのです。
でも、そこにそれ以上の見方が加わると、実はさらなる可能性をもつものになるのです。そして、そういう見方は
どれだけ「お米（そのもの）」を好きなのか、興味があるのか、学ぼうとしているかで個人差が生まれます。なので一律でマニュアル化できるものでもない、感性も欲しい部分でもありました。
職種が変わった今も、そんな風に、仕事に対する向き合い方の基本は変わらないことに気がつきました。
だからこそ、レーンに乗って届く一瞬の寿司でも綺麗に届けたい。
キッチンの持ち場も綺麗に保っていたい。
高校生のバイト生が多い日や時間帯には「ここ、食べ物を作ってるんだよ」と説教おばちゃんしたくなるのですが、” とにかく早く提供する ” をモットーにし、さばくことに重きを置いている社風なので、私のその感覚は少々余計なことなのかもしれません。
歯痒いのですが、そんな人こそ評価される世の中になってほしいなと切に願うばかりです。
「歳をとるにつれて責任が増えていく。家族ができたら家族もリスクに巻き込む。→だから今行動を起こすべきだ、大胆なことをやってほしい」
かのイーロンマスク氏の言葉なのですが、これも仕事と向き合う日々で大切な考え方だと共感しています（ ▶︎ イーロン・マスクの生声 本人自らの発言だからこそ見える真実という書籍に記載されています）。
・仕事へのモチベーションを高めたい
・挑戦したいことがあるが、踏み出す勇気が欲しい
・人生や仕事に、ぶれない軸が欲しいと思っている
そう思っている時に一読してみてほしい書籍の1つ、かな。
仕事で大切にしていることには、効率よく仕事をする、良好な人間関係の構築や社会への寄与、高い集中力、迅速な処理速度など、きっと答えはさまざまですが、私が仕事で大切にしていることはそこは基本的に持っているものとして考えるので、わざわざ挙げることではないと考えています。
